連載小説館
連載小説を、ここで読む。
連載中の作品
新話をメールで受け取る
新しい話が公開されたとき、メールでお知らせします。
僕の仕事を奪うはずのAIが、なぜか人類最後の希望になった を購読する
新しい話が公開されたとき、メールでお知らせします。
無職仙人の話 を購読する
新しい話が公開されたとき、メールでお知らせします。
最新の話
-
無職仙人の話
第25話: 白い月の影
昼の白い月が、今日は店内の床に影を落としていた。 冬の陽ざしに紛れるはずの淡い丸が、月見堂の古い板床に、ぼんやりと白い輪郭を刻んでいる。窓ガラス越しの光なのに、なぜかそこだけ夜みたいに冷たかった。 「……...
-
無職仙人の話
第24話: 旅先の閉店札
「はたらきたくないでござる~!」 雨の港町に、サトルの声がふにゃりと溶けた。 濡れた石畳は黒飴みたいに光り、遠くで船の汽笛が低く鳴っている。冬の雨は細く、けれどしつこい。傘を持つサトルの横で、巨大白ウサ...
-
無職仙人の話
第23話: 兄の現実案
「はたらきたくないでござる~!」 ……という声は、その朝の月見堂には響かなかった。 代わりに、冬の商店街を渡る風が、入口の札をかすかに揺らしていた。 《本音、一枚からお預かりします。 受付時間、守ります。預...
-
無職仙人の話
第22話: 善意の申請書
「はたらきたくないでござる~!」 タブレットの向こうで、サトルが朝っぱらからいつものように叫んだ。 ただし今回は、巨大白ウサギ・モチ丸の腹毛に半分埋まりながらだったので、声はふかふかに吸われていた。 冬...
-
僕の仕事を奪うはずのAIが、なぜか人類最後の希望になった
第6話: 非認可の星
監査核の奥へ踏み込んだ瞬間、蓮の端末が震えた。 黒い画面に、白い文字列が滝のように流れる。温度警告、権限衝突、認証再試行。その隙間に、ひとつだけ妙に静かな行が浮かび上がった。 削除予定プロセス一覧 非認...
-
無職仙人の話
第21話: 救済の見積書
「はたらきたくないでござる~!」 その文字が、やけに立派な明朝体で会議資料の一ページ目に印刷されていた。 古びた喫茶店・月見堂の丸テーブルに置かれたそれを見て、ナツメはしばらく言葉を失った。 外では冬の...
-
無職仙人の話
第20話: 休みを商品にしないで
「はたらきたくないでござる~! ……と、言いたい朝ほど、机の上に仕事が増える現象、名前つけたいでござる」 開店前の月見堂。 カウンターには、まだ湯気の立たないコーヒーカップの代わりに、分厚い企画書が三冊、...
-
無職仙人の話
第19話: 月砂糖は薬じゃない
月砂糖の木箱をカウンター下へ運び込んだ翌朝、月見堂の扉は開店札を出す前から鳴った。 「すみません! 月砂糖、瓶で売ってもらえませんか!」 飛び込んできたのは、くたびれたコートの女性だった。目の下には濃い...
-
無職仙人の話
第18話: 満月便の倉庫
「いや、それは労働基準法的にどうなのでござる~!」 タブレット越しの悲鳴を最後に、サトルの画面はモチ丸の白い腹毛で埋まった。 月見堂のカウンターでは、ナツメが深いため息をつく。 「……あいつ、旅先でもだい...
-
無職仙人の話
第17話: 海辺の小さな避難所
「はたらきたくないでござる~!」 タブレットの向こうで、サトルは今日も元気に潰れていた。 正確には、港町の古びた食堂の畳席で、巨大な白ウサギ――モチ丸の腹毛に半分埋もれていた。 画面越しの月見堂では、ナツ...